TAKESHI YOSHIKAWA
渡邊 倫之

2008年入社
プロジェクトマネージャー
統括副本部長
情報デザインコンサルティング事業統括本部

ベテラン社員が語る、「KMKのPMとして働く面白さ」と「エンジニアファーストの取り組み」

Webシステムやスマホアプリ開発など幅広いITサービスを提供するだけでなく、自社グループの新事業開発にも積極的に取り組んでいる株式会社ケーエムケーワールド(以下、KMK)。今回は長年プロジェクトマネージャー(以下、PM)を務め、現在は統括副本部長として活躍する渡邊さんにインタビューを実施しました。KMKのPMはどのようにプロジェクトを進めるのか、その魅力や面白さについてお伝えします。また、KMKが重視している「エンジニアファースト」の実態についても、詳しくお伺いしました。

独学でJavaを習得し、音楽の世界からIT業界へ参入

―最初に、渡邊さんのご経歴について簡単に教えてください。

私はもともと音楽をやっていて、大学を卒業してからは大手楽器店に入社。楽器販売や音楽教室の運営を行っていました。4年間働いたのですが、その間も続けていた音楽活動の一環として、音に特化したプログラミング言語で音楽を作り、並行して独学でJavaを勉強していたんです。それをきっかけにプログラミングに興味を持ち、28歳でIT業界に入りました。エンジニアとしては全くキャリアが無い状態でしたがSES企業に1年ほど務め、出向先の企業に気に入っていただけたことを機に、フリーランスとして独立しました。4年ほど経験を積んでから2008年にKMKに入社し、現在に至ります。

入社してすぐにPMとして抜擢され、KMKのエンジニアを牽引

―KMKに入社されたのは、どのようなきっかけだったのでしょうか?

フリーランス時代に大手SIerに常駐していたことがあったのですが、そのとき関わった大きなプロジェクトの上流チームにいたのが、KMKのメンバーでした。彼と交流するうちにKMKに来ないかと誘われたんです。ただ、私は組織というものがあまり好きではなかったので、1年ほど回答を渋っていましたね(笑)でも、できれば開発の上流工程にも携わりたいという思いがありましたし、それなら組織に所属したほうがいいだろうと、入社を決めました。KMKの取締役の方とお話をして、その人柄に惚れ込んだのも理由の一つです。

―現在はどのような業務を担っているのでしょうか?

会社が成長してきて、現在はいわゆる「100人の壁」にぶち当たっているところです。今後は情報デザインコンサルティング事業を盛り上げていかなければならないということで、統括副本部長に就任しました。主に開発部門の統括と中途採用を行っています。

KMKのPMはプロジェクトの上流工程から関わることが多い

―PMとしても活躍されてきた渡邊さんですが、KMKのPMとして働く魅力について教えてください。

KMKのPMには、主に3つの立場があります。1つ目は、自社サービスの開発です。例えば当社には美容系のグループ会社が2社あるのですが、新規事業として美容に特化したアプリ開発を行い、実際に私がPMとして携わりました。新規で自社サービスを開発するわけですから、マネジメントだけではなく、サービスのデザインも行います。どんなサービスをどこでマネタイズし、どんなシステムにするのかといったことですね。こうしたビジネスデザインをベースとして実際に要件定義やプロジェクト管理、開発を行いました。今後も同様の形で新規サービスを作っていく予定ですから、PMと言いながらもサービスデザインから関われるのが魅力の一つです。
2つ目は、受託開発です。これは完全に一次請けで、中小規模のプロジェクトを手掛けます。この場合、一般的なPMであればプロジェクトの要件定義から入りますが、KMKの場合はお客様にヒアリングをして、どこをどうシステム開発するのかという上流のコンサルのフェーズから関わり、開発チームを組成します。ほとんど自社サービスの開発と同じような流れになる場合も多いです。
3つ目が、一般的な二次請けでの開発です。大手SIerと協働するときは、例えば大型基幹システム開発の10ある領域のうち、4を当社が担うようなイメージで動くことが多いでしょうか。この4の領域の中でKMKからPMを立て、残りの6を担うベンダー企業のPMたちと合同でプロジェクトを進めていきます。よくあるのは、KMKも含めた3社のベンダーで開発するパターンですね。かといって上下関係はなく、3社でミーティングをしながら、フラットに推進します。他社と合同でチームを作ることもありますし、通常想像するような二次請けとは、少しイメージが違うかもしれません。

徹底したエンジニアファーストで社員一人ひとりのキャリアを描く

―KMKには「エンジニアファースト」の考えがあると伺っていますが、これはどのようなものなのでしょうか?

新卒も中途採用も問わず、KMKでは社員一人ひとりに詳しくヒアリングし、事業部長やマネージャーと一緒に将来のキャリアを考えていきます。当たり前のようで意外と実行するのが難しいことなのですが、当社ではこれこそが「エンジニアファースト」だと考え、力を入れています。その人が3年後にマネジメントをしたいのか、それともコンサルをしたいのか、あるいは技術を極めたいのか。ヒアリングによって傾向を知り、次に進む道を選んでいくのです。

―その人が望んだキャリア形成のために、具体的にはどんなことをするのでしょうか?

例えば3年後になりたい像があるとして、そのキャリアビジョンに最短で近づくための方法論を考えます。一つは自分の努力、すなわち勉強ですよね。例えばアーキテクトなら資格取得ができますし、キャリア的に適した資格が無い場合は別の形で勉強をしてもらい、成果を発表してもらう方法もあります。もう一つが、現実にアサインするプロジェクトの選択です。事業部長、マネージャーに加えて統括本部長、営業まで巻き込んで、その人の描きたいキャリアに適したプロジェクトをお互いに納得した上で選びます。KMKが用意できるプロジェクトは先ほどもご説明したような自社サービス開発から受託、一括請負、二次請け、その中でも自社開発、常駐などさまざまですが、あまり種類は区別せずに、純粋に「その人にとって意味のあるプロジェクトかどうか」という視点を重視します。プロジェクトに対して本人スキルが不足している場合は、同じプロジェクトに入っている社員から学んでいく、という方法もとれます。今提供できるKMKのリソースの中から最大限その人に適したものを、ステークホルダー全員で考えるわけです。これは徹底しています。

―素晴らしいですね。プロジェクトに入った後は、どのようにフォローするのでしょうか?

単純ですが、月に1回以上は上司と1on1のミーティングを実施します。要望があれば、週1で行うこともありますね。選び尽くしてジョインしてもらったプロジェクトですから、時々の状況や本人のモチベーションをきちんとヒアリングして、フォローしていきます。ごくまれに、スキルアップが望めないような状況も発生します。本人が体調を崩してしまったり、例えばプロジェクトが常駐だったとして、そこのPMの能力が想定よりも低かったりするケースですね。そういうときはプロジェクトからはすぐに離脱してもらい、プロジェクトを選定し直すというフローで軌道修正を図ります。

PMとして何よりも求められるのは「クリエイティビティ」

―最後に、渡邊さんご自身はどんな指向性を持ったPMと一緒に働きたいと思いますか?

大前提はクリエイティブな人ですね。具体的に言うと、物事を俯瞰的に見て、ゼロから仕組みを作れる人でしょうか。これに尽きると思っています。KMKにおけるPMは、他社よりもクリエイティビティが求められるからです。今回のインタビューでもPMの3つの立場をご紹介しましたが、どれもクリエイティブがなければできない仕事です。これは、KMKの自社開発はもちろんのこと、外部依存度が低いことも要因となっています。「このフォーマットを使って運営してください」といった形で、何かを与えられることは少ない。プロジェクトの仕組みはもちろん、管理方法や使用するツール、工程や、会議体、課題管理の設定まで、決まった形が無いものを自分で作っていくことになります。仕組みを作った上で、俯瞰的に見て構造としてきちんと動くかどうかを検証したり、運用する中で修正を加えたりする必要もあります。ここで必要になるのが抽象化能力と、コミュニケーションスキルですね。仕組みを運用し、コミュニケーションで補正をする。この一連の流れを、「クリエイティブ」と呼んでいいと思います。